水温み電池入れ換ふ万歩計   澤井 二堂

水温み電池入れ換ふ万歩計   澤井 二堂 『季のことば』  三月から四月にかけて気温が上昇し、池や川の水もなんとなく暖かく感じられるようになる。キッチンに立つお母さんも、水道の栓を勢いよく開けて水をほとばしらせている。明るい陽射しがあたり一面を生き生きと輝かす。  そういう時候を水の温度変化で言い表した季語が「水温む」。天明(1780年代)の俳人与謝蕪村はこの気分を「水ぬるむ頃やおんなのわたし守」と詠み、現代俳句の総帥高浜虚子は「これよりは恋や事業や水温む」と詠んだ。万物生動する季節である。  この句の作者は「お年寄り」と言われるのには抵抗感を抱きながらも、その実、徐々に忍び寄る身の弱りを痛感している。それだから昔取った杵柄のゴルフには相変わらず精進しているし、日頃もつとめて身体を動かすように気をつけている。朝夕の散歩も欠かさない。毎日必ず一万歩というわけにはなかなかいかないが、つとめて歩くようにしている。万歩計の電池入れ替えもおさおさ怠りない。(水)

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