春光やアベノミクスという魔球        須藤 光迷

春光やアベノミクスという魔球        須藤 光迷 『この一句』  マユツバとも見えた安倍首相の政策が、効果を表してきたようだ。景気上昇のメドと言われていた日経平均一万二千円が達成されたとなると、たちまちにして疑心暗鬼が薄れ、経済・産業界だけでなく、一般にも大歓迎の声が広がってきた。「アベノミクスという魔球」とはまさに言い得て妙である。  国民への借金を増やしつつ、2%の物価上昇を目指すという奇妙な政策。それが、「約束通り」にいくかどうかが、アベノミクスの成否を占うのだという。円安が進めば、百ショップを初めとする庶民生活のよりどころは、どこもかしこも値上げを免れない。年金受給者や低所得者は、なぜ黙っているのか……。  ……と私は思っていた。だからこの句を見た時、「春光」という季語だけが不満で、「春愁」でどうか、などと考えていた。ところが数日にして、米ダウ平均が史上最高値を更新、「日本株にも追い風」などと報道されると、「春光」でもいいかな、と思い始めた。どうやら「魔球」にしてやられたらしい。(恂)

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