白魚の透き通りたる哀しさよ       篠田 義彦

白魚の透き通りたる哀しさよ       篠田 義彦 『合評会から』(三四郎句会) 賢一 白魚は小さな魚です。透き通って、か細くて、はかなくて、哀れさを感じますね。直感的に詠んだような感じですが、いい句だと思います。 照芳 白魚の兼題が出てから、四苦八苦でした。この句の「哀しさよ」を見て、ああそうなんだ、このように詠めばいいのか、と思いました。 久敬 白魚が「透き通る」という句は、他にもありました。「哀しさよ」が言い過ぎかとも思いますが、こういう句の場合、率直さ、直接法も悪くないでしょう。 豊生 やはり「哀しさよ」にぱっと目が行きました。身につまされた感じもありましたね。 有弘 選ぼうかと思いましたが、「哀しさよ」がいやらしかった。うまいなとは思いましたが。             *          *  「かなしい」を漢字で表すと「悲しい」「哀しい」「愛しい」がある。この句の「哀しさ」は「ものの哀れ」だろう。現代語の「かなしさ」ではなく、「いとしさ」に近い意味があるのだと思う。(恂)

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