福詣ふわっとふくをしょひにけり   池村実千代

福詣ふわっとふくをしょひにけり   池村実千代 『季のことば』  福詣(ふくまいり)は正月に七福神を祀る社寺を巡り、その年の幸運を願う行事。元禄時代に始まり、江戸後期に大流行した。文化2年(1805年)、骨董商で文人の佐原掬塢が向島に百花園を作り、そこが狂歌や戯作で有名な太田蜀山人、画家の谷文兆はじめ文人仲間の溜まり場になった。百花園の福禄寿に目をつけた文人仲間の知恵で隅田川七福神巡りが生まれたという。三囲神社の恵比寿、大黒、多聞寺の毘沙門天、長命寺の弁財天、弘福寺の布袋尊、白髭神社の寿老人である。今では墨田区無形民俗文化財という大層なものになっている。  バブル経済末期の1980年代後半から七福神巡りがまた流行り始め、それ以後処々方々に新顔が続々と生まれている。これは俳句仲間で出かけた佐倉七福神吟行の一コマ。うらうらと陽射しを浴びて佐倉城址周辺をのんびり散策する気分が、「ふわっとふくをしょひにけり」という平仮名表記で遺憾なく表されている。(水)

続きを読む