尖る音水琴窟の寒の水         大熊 万歩

尖る音水琴窟の寒の水         大熊 万歩 『合評会から』(日経俳句会) 正 「尖る音」がユニークですね。寒の水と水琴窟の両方に響いています。 臣弘 名古屋で日帰り温泉に入ったとき、洞窟のような場所に水琴窟があり、ポトンポトンと音がしていた。あれは確かに尖る音だった。 淳 水の冷たさを、音で表しているのがすごいですね。 研士郎 寒の水の透明感と水琴窟の音を「尖る」でまとめている。 操 ただでさえキーンと響く音が、寒の水によってさらに鋭く聞こえてくるのですね。 悌志郎 「尖る」というのはどうでしょうか。私は水琴窟の音でそう感じたことはないが。 水牛 尖っているかどうかは取り様でしょう。作者、読者の主観ですよ。 智宥 言葉の組み合わせの妙というか、作り過ぎというか。評価は分かれると思うが……  *            *  水滴が空洞内に落ちて反響する水琴窟の音はなかなか味わいがあり、俳句の素材としてけっこう人気が高い。「尖る音」と「寒の水」。この二語によって、ユニークな水琴窟の句になった。(恂)

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