冬温し出会へた朝の流れ星   池村実千代

冬温し出会へた朝の流れ星   池村実千代 『この一句』  「冬温し」という季語は、冬なのにぽかぽかとした陽射しが何とも心地良いといった感じでうたわれるのが普通だが、この句は流れ星に出会えたが故に冬温しの気分になったという。珍しい詠み方である。  ついこの間「双子座流星群」が出現し、話題になった。作者もこれを見ようと、寒い夜明け方に庭だか二階のバルコニーだかに立ち尽くしていたのだろう。がたがた震えながら暁闇の空を見上げる。首がこわばってしまう。いくら見上げていても流星は出現しない。もう限界だ、あきらめて寝ようと・・、その途端にすーっと星が流れた。  流れ星が消える間に願い事を三度唱えると、それが叶えられるという言い伝えがある。だけど流れ星はあっと言う間に消えてしまう。ものの一、二秒だから、願い事を唱えることなんて無理だ。けれども流れ星を見られただけでも幸せな感じになる。なんだか身内が温かくなってきた。来る年はきっと良いことがあるぞという気分が湧いて来た。(水)

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