極月やどしんと棄てる文庫本  金田 青水

極月やどしんと棄てる文庫本   金田 青水 『合評会から」(日経俳句会合同句会) 正市 棄てにくい本を棄てたのですね。「極月」という季語が生きていると思います。 佳子 「どしん」という表現に思い切りのよさが感じられます。 定利 文庫本を何かに包んだのか、段ボールにでも入れているのか。今風の句ですね。 啓明 極月ですからね。年が極まって、大掃除をやるので、ついに棄てねばならない。「どしん」に、「えい」という気持ちが込められている。 光迷 年来の溜ったものの大掃除ですね。文庫本ですが、棄てたのは小説本が多いのかな。 誰か 「棄てる」は、文語体だと「棄つる」になりますが……。 青水(作者) それも考えましたが、「どしん」ですからね。やはり口語体の方がいいと思いました。              *              *  この後、本の整理の話が長く続いた。大手の古本屋に売ったら、一冊十円だという。煙草の匂いがするとただでも引き取ってくれないらしい。当然ながら、読書家ほど本の処理に困っているようだ。(恂)

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