居眠りを眺め居眠り冬温し   杉山 智宥

居眠りを眺め居眠り冬温し   杉山 智宥 『合評会から』(日経俳句会合同句会) 光迷 電車の中でしょうか、あの人居眠り始めたよと言ってた人がいつの間にか居眠りという、よくある情景ですが、いかにも俳味を感じさせる詠み方だし、冬温しがぴったりです。 啓明 冬の陽射しが差し込むリビング。カミサンがこっくりこっくりやってるのを見てたらこちらもうとうとしてきたという、いかにも平和な老夫婦です。 正 私は電車内風景と取りました。のんびりした雰囲気が漂っています。 睦子 「居眠り」という言葉を重ねて、ほんわかした感じをよく出している。 綾子 私も電車だと思います。座席の下のヒーターが効いて、柔らかい陽射しが差し込んで、みんなついうとうとという感じがうまく詠まれています。        *     *     *  誰もが一読共感を抱く、ほのぼのとした句だ。不景気だ、産業空洞化だ、尖閣諸島問題だと世の中騒がしいが、なーに日本は依然として地球上最も平和で安全な国である。電車や公園のベンチで居眠りをしていても安全という国は数少ないのだ。(水)

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