野良猫の出てくるあたり帰り花   田中 白山

野良猫の出てくるあたり帰り花   田中 白山 『合評会から』(番町喜楽会・三四郎句会合同句会) 百子 帰り花は思わぬところに咲いているものです。それを野良猫が気づかせてくれたのですね。とてもいい句ですねえ。 有弘 下町の雰囲気を感じました。下町ではない文京区あたりの住宅街と商店街が入り組んだ町にもよくこういう風景がありますね。感じが伝わって来る句です。 水牛 ほんとにそうですね、山の手、下町問わずこういう景色はあります。「野良猫の出てくるあたり」という詠み方、いいですねえ。こういう句、私は大好きです。            *            *  地域にもよるのだろうが、今年は躑躅(つつじ)の帰り花をよく見かける。ふと下を見ると、植え込みの下や垣根などに数輪、また数輪と咲いているのだ。春に比べると、花は小さく、花びらが痛んでいたりするが、それまたそれなりの風情を感ずることができる。この句に出合って以来、野良猫は出てこないかな、と少し立ち止まるようになった。(恂)

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