生命あり戻りし窓に帰り花   河村 有弘

生命あり戻りし窓に帰り花   河村 有弘 『合評会から』(番町喜楽・三四郎合同句会) 楓子 病院から戻ると帰り花が咲いていた。命を取り戻したんだなあという気持がこみ上げて来るのが伝わって来る素晴らしい句です。 克恵 「生命あり」と「帰り花」が強く結び合わさって、印象の深い句です。 てる夫 「帰り花」と「生命あり」はよくある取り合わせだなと思ったのですが、やはり捨ててはおけない句だなと思いました。 大虫 帰り花にはよくぞ咲いてくれたという気持と、そのまま実を結ぶこともなく終わってしまうはかなさを抱きます。大病して戻って来られて嬉しいのだが、まだ不安はある。その気分がよく伝わってきます。 久敬 大病して退院したときの喜びが素直に感じられて素晴らしい。 而雲 帰り花にしみじみとした感じを受けたことを素直に詠んだところがいい。      *     *     *  数年前、心筋梗塞で危うく命を取り留めた作者のいつわらざる心境句である。「あり」「戻り」「帰り」と、俳句作法から言えば「うるさい」という批判もあるだろう。しかしそんな些末な意見を吹っ飛ばしてしまう力のある句である。第一回の番喜・三四郎合同句会で堂々最高点を獲得した。(水)

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