客足の落ちしスーパー舞ふ枯葉   堤 てる夫

客足の落ちしスーパー舞ふ枯葉   堤 てる夫 『この一句』  大きな駐車スペースを持った郊外型スーパー。どういうわけか客足が減り、店側も人員削減しているせいか外周りの掃除にまで手が回りかね、入口付近にまで落葉が舞っている。店の作りが派手で、幟や看板が派手なだけに、さびれた感じが一層目立つ。きっと間もなく閉店ということになるのだろう。  大手スーパーはここへきて店舗展開の見直しを進め、地方中小都市の不採算店を次々に閉鎖している。浮いた資金で東南アジア諸国に新規展開した方がずっと投資効率が良いからだ。しかし、スーパーが突然店仕舞いしてしまった地域住民は途方に暮れる。そのスーパーが出て来たために、昔からあった八百屋、魚屋、雑貨屋がみんな潰れてしまっているから、買い物する店が無いのだ。零細小売店の顧客を奪い、潰しておきながら、今度はその顧客を置き去りにして逃げてしまうのだから罪作りなものである。  見たままを詠んだだけの句のように見えるが、不景気な現代風景を鮮やかに示した、なかなか深い句である。(水)

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