幸せやたくあんで食ふ今年米   大倉悌志郎

幸せやたくあんで食ふ今年米   大倉悌志郎 『この一句』  「新米」が兼題の句会には、当然のことだが新米そのものを描写した句や収穫の様子をうたったものの他に、新米をどう食べるかという句がたくさん出た。掲出句の他にも「新米に沢庵一つあとはお茶 明美」「新米や糠漬け味噌汁生たまご 青水」「くぼませて卵をのせて今年米 佳子」「新米を卵一つで二杯ほど 光迷」「新米に鯛一匹を炊き込めり 碩」と楽しい句が賑やかに並んだ。  豪勢な鯛飯はさておき、沢庵、卵かけご飯というのが多い。やはり、新米を味わうには、シンプルな「メシ」の象徴とも言うべき沢庵と生卵に落ち着くらしい。個人的な好みを言うと、実は卵かけご飯が大好きで、それに海苔と沢庵と味噌汁があると極楽極楽という気分になるのだが、新米の良さを感じるには役者が多すぎる。やはりこの句の作者のように、沢庵だけが正解かも知れない。  心底もう多くは望まない年である。真っ白に輝く新米ご飯と沢庵の二切れ三切れ。それで十分満足である。(水)

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