客とぎれ陶芸展の日永かな      大澤 水牛

客とぎれ陶芸展の日永かな      大澤 水牛 『合評会から』(番町喜楽会) 春陽子 私、現場を実見しましてね。この句を見た時、なるほど、こういう時に「日永」という季語を使うのだなということを、まざまざと思い知らされました。 水牛 いやぁ、まさにそうなんです。お客さんがぷつんと途切れちゃいましてね、受付のカウンターを前に坐っているうちにうつらうつらし始めた。そうしたら目の前で誰かがごそごそ記帳しておられる。はっと目が覚めてみたら春陽子さんだった。 厳水 そんな雰囲気が、目に浮かんで来ました。 克恵 素直に情景を詠んで、季語がぴったりですね。 *               *  春になり、少しずつ日が長くなってきた、と感じる頃が日永の時期。最も日が長くなるはその先の夏至の前後だが、日本人に備わった季節的、言語的感覚は理屈を超えたところにある。この句を見せて、季節は春か夏かと問えば、俳句を知らない人でも「春」と答えるのではないだろうか。(恂)

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