水打って斑の際立てり銀鰆   野見山 恵子

水打って斑の際立てり銀鰆   野見山 恵子 『合評会から』(番町喜楽会) 塘外 水を打った途端に銀白色の鰆の斑模様がぱっと浮かんだ。その鮮やかな様子に目を止めて詠んだところが素晴らしい。 而雲 魚って大概は陸に上がるとねずみ色っぽい一色になっちゃう。それが水を打たれるとさーっと鮮やかな色が浮き立つ。よく見ているなと思いましたね。 正裕 そう、私も同じこと思いました。魚屋はよく水を打ってますよね、そうすると魚は生き生きとする。そういう場面を目ざとく捉えています。 沙羅 そうですね、鰆のぴんと張った様子が目に浮かんで来るようです。           *  鮮やかな印象の、分かりやすい句である。腹部は真っ白、体側から背中にかけては青みがかった銀色で、褐色を帯びた黒斑が入っている。サハラ(狭腹)というのが語源らしいが、その通り細長く平べったいまことにスマートな体型。身が柔らかいから照焼きや味噌漬けが旨いが、新鮮なものの刺身はすこぶる良い。これが食膳にのるころ、春はたけなわ。(水)

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