春風に柾目の下駄をおろしけり   大石 柏人

春風に柾目の下駄をおろしけり   大石 柏人 『合評会から』(酔吟会) 光久 春風にこころ浮き立つ。その気分が柾目の下駄をおろすというところによく現れている。 涸魚 いよいよ散歩の季節になった。「下駄をおろしけり」がぴったりですね。 詠悟 私も真似して下駄をおろしたくなった。 恂之介 新しい下駄は、なかなか指が通らない。ギシギシやっていて、そのうちにうまく収まる。履いて歩き出したときの感じがするな。 二堂 これに類する句を私も考えた。「春風にゴルフシューズを新調す」とか、「黄色い帽子新調す」などと。春風に誘われるとそういう気分になるものです。 正風 こだわるようだけど、下駄でしょ。素足ではくのだし、春風の季節にはいささか早い。五月の薫風の方がぴったりするんじゃないかな。           *  この作者には4,5年前に「梅雨明けて吉野の下駄をおろしけり」というのがある。とっておきの下駄をおろす時期としては、梅雨明けの晴れ晴れとしたお天気の方がふさわしい感じがするが、春風そよぐ朝も悪くはない。あなたはどちらに軍配を?(水)

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