春暁や眠りこけたる鳩時計      大熊 万歩

春暁や眠りこけたる鳩時計      大熊 万歩 『合評会から』(水木会) 光迷 鳩時計は壊れたのか、巻きが足りないのか。眠りこけているというのは俳味があって面白いですね。 定利 鳩が生きているようで、面白い句だと思いました。 昌魚 春暁に目覚めてもなかなか起きたくなくて、鳩時計も夢の中で眠っているという情景が浮かびます。自分も眠いときにはそんな感じのような……。 博明 午前四時ごろの一番眠りの深い時だと思うんですが、鳩時計も寝ているという感じがありますね。 水牛 面白い句ですが、春曙に「眠りこけたる」ですから、ちょっと付き過ぎかな。 *           *  木製の小屋の中に鳩がいて、時刻になると顔を出し「ぽっぽー」と鳴く。あれはもうアナログ時代の遺物である。この句の鳩時計もすでに動かないのだが、家族にはそれぞれ懐かしい思い出があって取り外さない。明け方に目覚めて柱の鳩時計を見る。そうか、お前は眠ったままなのだな、と作者は思う。(恂)

続きを読む