蓮根のどの穴となく去年今年     野見山恵子

蓮根のどの穴となく去年今年     野見山恵子 『合評会から』(番町喜楽会) てる夫 蓮は穴が空いていて「先が見える」から縁起がいいということで、おせち料理に入っていますよね。いろんな穴があいていますが、「どの穴となく」とはねぇ。とぼけた味がありますね。 正裕 同じようなことを感じました。何と言っても目のつけどころが…… 啓一 時は絶えまなく流れています。蓮の穴にも流れているんでしょう。 百子 私、作者にぜひ聞きたいんです。蓮根のどこを見て、こんなことを思いついたのか。何を考えたのか。 水牛 蓮根は洗うのが結構たいへんなんだ。洗っているとき、あの穴、この穴と覗いたりしたのかなぁ。 而雲 評を聞いているうちに、実にいい句だと思うようになった。 *           *  新年初句会の兼題「去年(こぞ)」に(「去年今年」も可)という注がついていた。句会に提出された句を見ると、副題というべき「去年今年」が質量ともに圧倒的優勢。「去年」で時間が途切れるより、除夜の鐘を越えて繋がっている時の流れに、より深い興趣が感じられるのだろう。(恂)

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