正月の顔して来たる孫ふたり   吉野 光久

 あけましておめでとうございます。「みんなの俳句」は平成20年元旦に日経俳句会創設者の故村田英尾先生の『初鶏や我が干支にして七めぐり』を発信して以来、本日が5年目の口開けとなります。今年もご愛読のほどどうぞよろしくお願いいたします。(双牛舎代表 今泉恂之介 大澤水牛)           * 正月の顔して来たる孫ふたり   吉野 光久 『この一句』  世の中が変わってもお正月を喜ぶ日本人の心は変わらない。スマートフォンや新型ゲーム機に大騒ぎする若者たちも、年が改まれば「今年もどうぞよろしく」などと神妙に挨拶する。パソコンのメール交信が日常茶飯事になっているのに、相変わらず年賀状のやりとりが盛んである。初詣、屠蘇と雑煮とおせち料理、初荷、福袋と旧習がまとまって顔を出す。  年始回りはさすがに流行らなくなったようだ。昔は上司や先輩の家をぐるぐる回ったが、今やそんなことをするとゴマスリ野郎と見られかねない。これに変わってそれぞれの親や祖父母の家に兄弟姉妹が子連れで集まり、新年会というのが一般的である。  子どもたちのお目当てはもちろん「お年玉」に決まっている。幼稚園も高校生も、孫たちみんな丁寧にお辞儀。まさにお正月用の顔である。下心は見え透いているのだが、おじいちゃん、おばあちゃんにはそれがなんとも言えず嬉しい。おじいちゃんなどは「もう来る頃だ」などと朝早くから何度も門口に出たりしている。(水)

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