淋しさの距離だけ動く古障子   三好 六甫

淋しさの距離だけ動く古障子   三好 六甫 『この一句』  年寄りにはなんとも身につまされる句である。老人の独り住まいであろう、いつもひっそりとしている家がある。その前を通り過ぎるたびに、何気なく見るともなしに目を遣るのが習慣のようになっていた。  おや、今朝はどうしたのだろう、めずらしく障子が開いている。しかしそれはわずか10センチか20センチくらいで、その家の住人が隙間から外を眺めているようだ。つい気になって目をこらしたら、障子がすうっと閉じられた・・。  とまあ、こんな情景を想像したのだが、果たして当たっているかどうか。「淋しさの距離だけ動く」というのが何とも気になる叙述だ。もしかしたら、とんでもない読み方をしているのかも知れない。この作者はしばしばクイズのような句を出して、ひとが見当外れな読み方をするのを面白がる癖があるから、おちおち油断がならない。(水)

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