ひやひやと肌につけたる黒真珠       星川佳子

ひやひやと肌につけたる黒真珠       星川佳子 『合評会から』(番町喜楽会) 而雲 真珠は白い方が冷たそうですが、この句を見ていたら、黒真珠の“ひやひや度”が迫ってきました。 楓子 黒真珠はお葬式に着けるでしょう。ひやっとした感じ、ありますよ。 大虫 黒真珠というのは真っ黒じゃなくて、銀色っぽく光るやつじゃないんですか。それが、胸元の白い肌に光って、ひやひやと……。これは、なんとも言えない。 誰か 大虫さん好みの句なんですね。(大笑い) 塘外 いや、私もね、想像力を非常に刺激されました。これは一九五〇年代のフランスのギャング映画なんです。(ほーっという声)。ボスはジャン・ギャバン、情婦はフランソワーズ・アルヌール。お出かけ前のアルヌールが鏡に向かって化粧中で、白い胸、ブラジャーは黒。そこに黒真珠ですよ。そういう自分の姿を恍惚として眺めている、という場面なんですね、これは。(大笑い)。               *         *  「ひやひや」は秋の季語。「冷たし」「ひえびえ」などとともに「冷やか」の傍題になっている。(恂)

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