またひとつ木造三階消えし夏   杉山 智有

またひとつ木造三階消えし夏   杉山 智宥 『合評会から』(水木会) 博明 木造三階というのは戦前ですよね。そういうのが無くなって行くのは寂しい、そういう気持が表れていますね。 正裕 谷根千あたりでしょうか、木造三階が夏の間に一つ消えてしまったという感慨がすっと入ってきます。もったいないな、寂しいなという気持が伝わってきます。 十三妹 私はマンション住まいですが、近くに一軒だけ石塀の立派な家があったのが、この夏留守の間に無くなってしまった。それやこれやで、この句にはすごく実感があります。           *  これは有名な下宿屋だった本郷館だそうである。「取り壊し始めますとの札がかかってましたが、今日(8月17日)行ってみたら足場が組まれていて、マニアが写真撮ってました」という。懐かしい時代の建物が一つまた一つと消えて行く。それをそのまま素直に詠んで、しみじみとした感じを抱かせる。(水)

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