新樹光五十年振りの校歌かな   三好 六甫

新樹光五十年振りの校歌かな   三好 六甫 『この一句』  作者は大学を卒業して五十年たつ。大学側がこれを祝して挙行した「金祝式典」に招かれたのである。五十年ともなると七十二歳から七十五、六歳。カソリック系のこぢんまりした大学だから、もともと同窓生は全学部合わせて五百人程度しか居なかったのだが、当日の式典に参加したのは半分程度だった。天国に行ってしまったり、行かないまでも入院中、自宅療養中、足腰が弱ってしまったという者が多いのだ。  いささか寂しい感じもするが、晴れて参加できた仲間たちと顔を合わせ、往事の思い出を語り合っているうちに若返ったような気分になる。「こうして元気でいられるのが何より。せいぜい愉しく暮らそうぜ」と互いに励まし合う。  キャンパスの木々も年輪を重ねて鬱蒼と茂っている。木漏れ日がとてもまぶしい。皆で声を合わせて五十年ぶりの校歌を力一杯歌った。すっかり忘れていたのだが、つられて歌っているうちに自然に歌詞が蘇って来るのが嬉しい。(水)

続きを読む